PEラインの4本撚りと8本撚りの違いは?
PEラインのパッケージに4ブレイドや4本組なんて書かれていたりするのを見たことがあると思います。
PEラインは細い繊維を組み合わせて作られたラインです。
その細い繊維を何本組み合わせて作られたラインなのかを示しているのが4ブレイドや4本組と言ったようにラインのパッケージに書かれています。
4本撚りと8本撚りのラインが一般的で他には12本撚りなどもあります。
4本撚りと8本撚りではどちらが強い?
ラインを選ぶ際にどんな素材のラインでもその強度はどうなのか?という事が気になると思いますが、同じ素材を使っているPEラインで4本撚りと8本撚りではどちらが強いのかを見ていきます。
今回はシマノ社のPEラインを例に出して比べていこうと思います。シマノと言えば総合メーカーなのでラインメーカーではありませんが、バス業界ではあまりメジャーではなかったものの、以前からシマノは高品質のPEラインを作っていて評判も良くおススメです。
シマノのPEラインは多くの種類がありますが、今回はルアーキャスティング用PEライン【ピットブル】を例に見ていきます。
ピットブルは4本・8本・12本がラインナップされています。それぞれの1号を比べてみます。
【ピットブル1号の比較】
4本撚り…強度 20lb(9.1㎏)・1,230円
8本撚り…強度 22.4lb(10.2㎏)・2,180円
12本撚り…強度 23.4lb(10.6㎏)・3,450円
※シマノHPより参照
本数が多くなれば強度が増すことが分かりますね。そして価格も上がります。
4本から8本になると約2lb(1㎏)も強度がUPしますが、1㎏のUPはバス釣りにおいてかなり大きな違いです。例えばナイロンラインで0.6号=2lbのところが、0.6号=4lbになるという事と同じくらいの強度UPです。
これを見れば断然8本撚りの方が強いので、多少高くても4本撚りよりも8本撚りを買いたくなると思います。定価2,180円なら高いフロロカーボンラインと変わらない価格のうえPEラインは劣化しづらいですからね。
本当に強いPEラインはどっち?
8本撚りの方が断然強いという事はメーカーのホームページを見れば数値が書いてあるので上記の様に比べれば分かります。
しかし、この強度は単純な引っ張り強度(直線強力)の話です。
つまり、結んだり、何かに擦れたりしていない状況の強度です。
釣りには必ず結び目が出来ますし、ストラクチャーに擦れたりする場合がありますが、そういった場合を想定した強度はいったいどうなのでしょうか?
PEラインは組数が多くなればなるほど一本の繊維は細くなります。
一本一本が細くなるという事は何かに擦れたときにキズが着きやすくなったり切れやすくなったりします。
つまり、一本一本の太さの違いで根ズレや結節強度に違いが生まれるので、4本と8本を比較すると4本の方が耐摩耗性・結節強度が強くなります。
直線強力が強い8本撚りと、耐摩耗性・結節強度が強い4本撚り。
8本撚りのメリット
耐摩耗性・結節強度が4本撚りに劣る8本撚りですが、直線強力が強いだけがメリットではありません。
一本一本が細いという事は、PEライン特有の表面がデコボコした感じが軽減され、表面が平らに近づき滑らかなになります。
この表面が滑らかになる事はPEラインの使い心地の向上にも繋がり、ラインがガイドと擦れている感じが減ります。これはガイドとラインの摩擦抵抗の減少にも繋がります。
結果として、ガイドとラインの摩擦抵抗が減少するという事は、飛距UPに繋がるので、4本撚りよりも8本撚りの方が、使用感も良く飛距離も上がります。
また、PEラインは若干の伸び率があるのですが、4本撚りと8本撚りを比べると4本撚りの方が伸び率が高く、8本撚りの方が伸び率が低くなる特徴があります。
一方で、同じ号数を比べた際に8本撚りの方が若干太くなります。
まとめ
それでは4本撚りと8本撚りを比較し、それぞれのメリットをまとめてみます。
【4本撚りのメリット】
●価格が低い
●耐摩耗性が高い(根ズレに強い)
●結節強度が強い
●若干細い
【8本撚りのメリット】
●引っ張り強度(直線強度)が高い
●表面が滑らか(使用感良好)
●飛距離が出せる
●伸び率が低い
上記の様なメリットを理解した上で、自分がどういったシチュエーションで釣りをするのか?どういった要素のPEラインを求めているのかを考えてセレクトすることが大切です。
個人的には、4本撚りと8本撚りでは使用感が全然違うので一度8本撚りを使うと4本撚りは使いづらいと思います。耐摩耗性が低いとは言え、その部分はリーダーを入れる事で補う事も出来るので…
PEラインを試してみたいという方は価格が低い4本撚りから試してみるのもいいと思います。

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